自室と祖母の部屋が、ドアで直結していたこと。
週刊朝日 1979/3/16 「祖母殺し高校生の母親が初めて語る息子の真実と事件の背景」から
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おばあちゃんの部屋と、泉の部屋のドアが通じていたことですけど、私 は、年頃の男の子なのに、隣の部屋がいつ開くかわからないような状態じ ゃ、とてもじゃないけど可哀想だと思い、反対しまして、何とかして・・・。 母にも、理屈はあるんですよ。火事が起きた時、あそこにドアがあれば 逃げられる、と。そこで私は、それじゃベランダから行き来が出来るよう にすれば、とか何とか、かなりしつこく反対したのですけれども、私の母 は、引っ込まないんですね。一度思い込んだら、というところがありまし て、よく泉が息が詰まるような感じがする、おばあちゃん、うるさい、う るさいというの、これは私はすごくよく分かりますね。(・・・・略・・・・) 今から思うと、どうしてあの時に別居しなかったか。泉は、私たちが離 婚した時に、「ママ、ぼくたち、これからどこに住むの」と言ったのです よね。私は、泉が、貧乏人とかを軽蔑するところがあって、母子三人で、 みすぼらしいアパートか何かに入って生活するのがいやで聞いたのだと思 ったのです。こんな建て方だし、この家はママがもらうことにしたからこ のまんまよと言ったら「ああ、そう、それはよかった」と言ったんですよ ね。私は素直に、それはよかったと思ったんですけれども、彼はあの時は 期待していたんですね、もしかすると。つまり、ここの家からは出ていけ るかもしれない。
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