朝倉泉の中学時代の同級生の座談会 (2)/8
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本多
B君の書いた遺書を読みましたか。
O
一応読んだ。
P
内容は予想できた。中三のときあんなの書いてた。
Q
普段書いているのと変わらないから、別に遺書的なものとは見えな いね。
Q
同じことしか書いていないから。
本多
書いているって、どういうところに?
O
教科書のあいだとかノートに、いっぱい書いてるよ。
本多
なるほどね。そういうのをしょちゅう読んでいたわけ?たとえば感 想を言うわけですか。
O
感想を言う。むこうは見せるために書いているようだから。
P
見せて、それから自分で読む。音読して聞かせるのね。
O
そう、聞かせるんだよね。
Q
聞きたくなくても聞かせる。
本多
そうですか。それでは今度の文章は、別に新しいわけではないんだ な。
O
内容も同じようなものだし。
本多
皆さんはどの程度親しかったのですか。しょっちゅうB君の家にも 行ったりした?
O
いや、家に入れてくれない。受験の時だし、家が厳しいし。
P
遊びに行くと入れてくれない。うちに来たとき入れてやる。
本多
あなたの家へ。
P
学校の帰りに。でもこちらが遊びに行っても入れてくれない。
O
そう、入れてくれない。
本多
だれが入れてくれないの?
P
お祖母ちゃんが。
O
「あんな子とつきあっちゃいけません」だろう。
Q
あのお祖母ちゃん、Bに教えるぐらいなんだろう、数学を。
P
数学を教えてくれるの? お祖母ちゃんが?
O
なんでも教えてくれるんだろ。いっしょに問題を解きましょうって。 できるんだぜ。
Q
信用できないね。ほんとかな。
本多
B君はクラスで孤立していたようなことはないのですか。
O
全然ない。
Q
結構、人気あったんだよな。
O
一人になることないもんね。
P
ついて来るからしようがないんだ。
本多
「ついて来る」って、B君が?
O
だいたい男だったら三つに分れているじゃない。
Q
グループ的傾向でね。
P
活発なのとおとなしいのとその中間。
本多
それでB君はどこですか。
P
中間。
O
Vはおとなしい方かい。
P
いやVも中間だ。ほらWとかXとか。あのグループさ。
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